音声入力で固有名詞が誤変換される原因と対処法 辞書登録・置換で減らす
記載の料金・仕様はこの日に公式サイトで確認したものです(検証ポリシー)
この記事の要点
- 固有名詞の
誤変換を 減らす - ツールの
辞書に、 よく 使う 語から 先に 登録する - 毎回
同じ 誤り方を する 語を 直す - 置き換え方式で
「誤→正」の 組を 登録する - 英語の
製品名が カタカナに なる - 正しい
綴りで 辞書に 登録し、 言語設定も 確認する - 登録する
ほど 使わない 語を 直す - 最後まで
書き切ってから、 エディタで 一括置換する - 固有名詞の
多い 仕事で ツールを 選ぶ - 辞書機能の
有無と 登録方式 (単語か、 置き換えの 組か)で 選ぶ
選ばれにくい
目次8項目
音声入力を業務で使い始めると、ぶつかりやすいのがこれです。文章自体はきれいに変換されるのに、社名・人名・製品名だけが何度も間違う。
原因は話し方よりも、音声認識の仕組みにあります。対処法もはっきりしています。
なぜ固有名詞だけ間違うのか
音声認識は、聞こえた音と「よく使われる言葉の並び」の両方を手がかりに、もっともらしい文字列を選びます。
このとき、一般の文章にあまり出てこない固有名詞は選ばれにくく、音の近い一般的な単語に置き換えられがちです。たとえば次のような置き換えが起こりえます(説明のための例です)。
- 社名「コエカキ」→「声書き」
- 製品名「Cocoon」→「コクーン」
- 略語「GA4」→「ジーエーフォー」
そのため、はっきり発音し直しても同じ誤りになりがちです。滑舌を気にして何度も言い直すより、辞書に登録するほうが早く片付きます。
解決策1:個人辞書に登録する(基本の対処)
多くのAI音声入力ツールには、認識させたい語を登録する辞書機能があります。登録の方式は、大きく2つに分かれます。
- 正しい表記を登録する方式:認識させたい語・フレーズそのものを登録します(Typeless、Wispr Flow)
- 誤った表記→正しい表記の組を登録する方式:毎回同じ誤り方をする語を置き換えます(Wispr Flowの「Correct a misspelling」、Hanaseruのユーザー辞書)
登録すべき語の優先順位
- 自分の会社名・サービス名(使う頻度が高い)
- 取引先の社名・担当者名
- 業界の専門用語・略語
- よく書く製品名・ツール名
まずは頻繁に使う10〜20語から始めるのが現実的です。全部を最初に登録しようとせず、間違いに気づいた語を順に足していきます。
登録のコツ
- 同じ誤り方を毎回する語は、置き換え方式で登録する:実際に出てくる誤った表記をそのまま「誤」側に入れます
- 読みと表記を登録する辞書(日本語入力のユーザー辞書など)は、キーボードで入力するときの変換用です:WindowsやMacの音声入力がこの辞書を認識に使うという公式の説明はないため、音声入力の固有名詞対策としては、ツール側の辞書か入力後の一括置換を使ってください
- 取引先名など社外秘に当たる語を登録する前に、辞書や入力内容の扱いを確認する:確認する項目はセキュリティ確認リストにまとめています
解決策2:辞書機能のあるツールを選ぶ
辞書の登録方式や自動学習の有無は、ツールによって違います。固有名詞の多い仕事なら、ここが選定基準になります。2026年10月15日に各社の公式サイト・公式ヘルプで確認した内容です。
| ツール | 辞書まわりの仕様(公式情報) |
|---|---|
| Wispr Flow | 辞書に名前・専門用語などを登録できる(1項目60文字まで)。「Correct a misspelling」で誤った表記→正しい表記の置き換えも登録できる(Mac/Windows/iOS。Androidは同期のみ)。Mac/Windowsでは設定をオンにすると、手で直した語を自動で学習する。辞書は無料プランでも使える(料金ページ) |
| Hanaseru | 日本語専用の設計(公式FAQ)。ユーザー辞書に、誤変換されやすい語の組(例:「水晶通り」→「推奨通り」)や専門用語を登録できる。手で直した語の組を自動で登録する「自動学習」は初期設定でオン。辞書はPC内にだけ保存され、処理のたびに語の組をAI後処理へ送るがサーバーには保存しない、と説明している(プライバシーポリシー) |
| Typeless | 認識させたい語・フレーズを辞書に登録できる。入力後に手で直した語は「Auto-added」として自動で追加される。デスクトップ版はCSVの一括インポートに対応(公式ヘルプ)。個人辞書は無料プランでも使える(料金ページ) |
| OS標準 | 日本語入力(IME)のユーザー辞書はあるが、WindowsとMacの音声入力の公式ヘルプには、辞書を認識に使うという説明はない。Pixel 6以降の「高度な音声入力機能」には、音声入力を修正した内容を改善に使うことがある「自分向けにカスタマイズ」の設定がある(Gboardヘルプ) |
辞書登録で固有名詞に対処する
Wispr Flow
Wispr Flowは辞書に名前や専門用語を登録でき、誤った表記を正しい表記に置き換える設定もあります。辞書は無料プランでも使え、無料枠はPC(Mac/Windows)が週2,000語、スマホ(iPhone/Android)が週1,000語です(2026年10月15日確認)。自分の使う固有名詞がどこまで通るか、無料枠で試してから判断できます。
- 無料枠
- PC 週2,000語(スマホ 週1,000語)
- 料金
- 年払い 960円/月相当(年11,520円)
月払い 1,200円/月(いずれも日本からの円建て価格) - 対応OS
- Mac / Windows / iPhone / Android
※現在このリンクに紹介報酬は発生していません(提携は申請中または申請予定・開示一覧)
解決策3:英語表記の製品名への対処
日本語として認識しようとするため、英語の製品名はカタカナで出ることがあります。「Notion」が「ノーション」、「GA4」が「ジーエーフォー」になる、といった具合です。
対処は3つあります。
- 辞書に正しい綴りで登録する(置き換え方式なら「ノーション」→「Notion」の組で登録)
- 英語部分だけ手で直す前提で書く(頻度が低いならこれで十分)
- ツールの言語設定を確認する:Typelessは公式に、言語の自動検出と複数言語を混ぜた発話への対応を説明しています。Wispr Flowは公式FAQで、精度のため自動判別に頼らず使う言語を選ぶよう推奨しています
解決策4:後から一括置換する
登録するほど頻度が高くない語は、割り切って後処理にするのが現実的です。
音声入力で最後まで書き切ってから、エディタの置換機能で「コクーン」→「Cocoon」とまとめて直す。音声入力では、入力中に立ち止まらないことに価値があります。
思考を止めずに書き切れるのが音声入力の大きな利点なので、細かい修正は後工程にまとめる、という割り切りは覚えておいて損がありません。
やらないほうがいいこと
- 何度も言い直す:選ばれにくい語は、言い直しても同じ誤りになりがちです
- 極端にゆっくり発音する:文の区切りが不自然になり、かえって誤認識が増えることがあります
- すべての固有名詞を最初に登録しようとする:頻出する語から始め、頻度の低い語は一括置換に回すほうが手間が少なくなります
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この記事の情報について:各ツールの機能は2026年10月15日時点で公式サイト・公式ヘルプを確認した内容です。編集部は各ツールの日本語の認識精度を実測していません(ベンチマークは準備中)。仕様は変更される場合があります。誤りが判明した場合は訂正し、記事末尾に履歴を残します(訂正の方針)。お問い合わせ窓口は現在準備中です。
よくある質問
なぜ固有名詞だけ誤変換されるのですか?
音声認識は、聞こえた音と「よく使われる言葉の並び」の両方を手がかりに文字を選びます。社名・人名・製品名のように一般の文章にあまり出てこない語は選ばれにくく、音の近い一般的な単語に置き換えられがちです。滑舌よりも、その語を知らないことが主な原因です。
一番確実な対処法は何ですか?
使っているツールの辞書(個人辞書・ユーザー辞書)に登録することです。毎回手で直すより、よく使う語を先に登録しておくほうが手間を減らせます。登録しても認識が完全になるわけではないので、頻度の低い語は入力後の一括置換と組み合わせるのが現実的です。
辞書機能があるツールはどれですか?
2026年10月15日に公式情報で確認した範囲では、Typeless・Wispr Flow・Hanaseruはいずれも辞書機能を備えています。Typelessは認識させたい語を登録し、手で直した語を自動で追加します。Wispr Flowは語の登録に加え、誤った表記を正しい表記に置き換える設定があります。Hanaseruは誤変換されやすい語の組や専門用語を登録でき、手で直した語の組を自動で登録する「自動学習」が初期設定でオンです。
Windows・Macの標準の音声入力でも辞書登録は効きますか?
WindowsとMacの音声入力の公式ヘルプには、日本語入力のユーザー辞書を音声入力の認識に使うという説明はありません(2026年10月15日確認)。標準機能で固有名詞が直らない場合は、入力後の一括置換か、辞書機能を持つツールの利用を検討してください。
英語の製品名がカタカナになってしまいます。
日本語として認識しようとするため、英語の製品名がカタカナで出ることがあります。辞書に正しい綴りで登録するか、置き換え方式の辞書があるツールなら「カタカナの表記→正しい綴り」の組で登録してください。あわせて、使っているツールの言語設定も確認してください。
辞書登録しても直らない場合は?
置き換え方式の辞書があるツールなら、実際に出てくる誤った表記をそのまま「誤→正」の組として登録してください。正しい表記だけを登録する方式で直らない場合は、登録した表記に揺れ(全角/半角、スペースの有無)がないかも確認します。それでも直らない語は、入力後の一括置換に回すほうが手間が少なくなります。